「先輩キザっスね・・・」
そういうのが精一杯だった。
逆光で手塚の表情が見えないのが悔しくてならない。
この人はどんな顔してこんなことを言うのだろう。妙に照れて、でも嬉しくて・・・。
何度も体を合わしている相手なのに凄く新鮮で手塚の唇の感触がリョーマを優しく包んでいるよ
うだった。
が、しかし!
「俺ばっかり余裕なくて馬鹿みたい!」
リョーマは自分だけがドキドキする今日の展開に腹が立っていた。
「当たり前だ、二年の歳の差は大きいものだ。」
こんなに怒っているというのにいけしゃあしゃあと言ってくれちゃうのである。
今日は本当にやられっぱなしだ。赤くなったり青くなったりは信号機と手塚の専売特許だったは
ずなのに、今日は一方的にやり込められている。
リョーマは形勢逆転をはかることにした。
「先輩、少しくらい時間ありますよね。」
返事がないのはOKな証拠。
「久しぶりに欲しいっス・・・」
リョーマは手塚の逞しい胸に飛び込んだ。
「ここでか?」
言葉とは裏腹に手塚はリョーマを抱き込んでいた。
「人いなさそうじゃないっスか。場所、選んだんでしょう?」
手塚の考えはわかっている。この人、始めからそのつもりだったんだ。
「・・・わかったか。」
手塚はリョーマの頭に口づけの雨を降らせていた。