冬休み中の部活は割合軽いものだった。大きな大会もないこの時期、どうしても筋トレ中心にな
る。
午前中で練習は終わった。
校門を出ると、手塚が立っていた。
「部長・・・。」
既に冬休みに入っているため私服姿の手塚だった。
「もう引退したのだからその呼び方はやめないか。まじめに練習しているようだな。」
眼鏡の下から優しげな眼差しがリョーマを包む。
「・・・て塚・・先輩、どうしてここへ?」
「今日お前誕生日だろ?」
「・・・そおだけど。」
「リョーマ、ちょっと付き合え。」
どこかで覚えのある会話・・・。
リョーマは愕然とした。ここまでは夢の通りである。この後ホテルにいって散々鳴かされたの
だ。
まさかそんなことはないはずと思いながら、リョーマと自分を呼んだ手塚の言動に偶然だけでは
すまされない奇妙な一致があった。
さっさと歩き出した手塚の背中をただただついていった。