リョーマの額を優しく撫でるものがあった。
「もう、やめてぇ・・・」
散々いたぶられたリョーマは動くことすら出来ないでいた。
払いのけた腕が何時になく毛深い気がした。
部長ってこんなに毛深かったっけ?
目を凝らしてみると、リョーマの顔に当たっていたのはカルピンの尻尾だった。
「何でカルピンがここに!?」
そこでリョーマは完全に目がさめた。
そう、リョーマは豪快に夢をみていたのだ。
どおりで手塚がリョーマと呼ぶはずだ。手塚に名前で呼ばれたことなど今まで一度もないのであ
る。
「もしかして、欲求不満なのかな?」
あんな夢を見てしまうなんてよっぽどたまっているようだ。そういえば、引退以来、手塚とも会
うことが減ってしまってここのと
ころやってない。でも、もともと快楽主義でもないはずなのであえて呼び出すのもどうかと思って
しまうのだ。
しかし、今日はクリスマスイヴ。夢の通り十二月二十四日、その日である。
「まさか正夢じゃないよね・・・」
何より、手塚がリョーマの誕生日を知っているかも怪しいものである。
「さっ、練習行こう」
下に下りると母と菜々子さんがプレゼントを用意してくれていた。FILAウォームアップジャケッ
トとズボンだった。
二人ともそれぞれ用事で今晩は遅くなるとのことだった。
ここまではいつもの誕生日であった。